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大阪支店

2017年1月号 ~凧揚げ~
2016-11-01

日本ではかつて、お正月を含む冬休みには子供たちが凧揚げをする光景がよく見られました。特に凧揚げが盛んに行われていた1970年代には、冬休みの時期には電力会社がスポンサーの夕方のニュース番組で「凧揚げは電線のない広い場所で」「電線に引っかかったら電力会社にご連絡ください」という内容のCMが流され、当時のトラブルの多さを窺わせます。今では凧揚げが安全にできる広い空間が少なくなったことに加え、少子化などもあり、正月の凧揚げの光景も少なくなりました。

 

ところで、「凧」という字を辞書で調べると、「凧」という漢字の他に「紙鳶(しえん)」と書いてあったり、読みも「たこ」の他に「いか」「いかのぼり」と書いていることをご存知でしょうか。 この「凧」という漢字自体は国字、つまり日本で作られた字で、元来、凧は奈良時代の終わりか平安時代に中国から日本に伝わり、当時は「いかのぼり」「いか」と呼ばれていました。

 

江戸時代になると「いかのぼり」を売る店も多く、子供だけでなく大人も日常的に遊ぶ大人気の娯楽でした。しかし「いかのぼり」を揚げている人同士でケンカになったり、通行の邪魔になったり、武家屋敷の屋根にぶつけたり、大名行列の中に落ちたりといった問題が起き、1650年代に「いかのぼりあげ禁止令」が発令されました。それでも「いかのぼり」をしたかった江戸の人たちは「イカじゃなくてタコです!」と言い出したのだとか。もちろん、その後には「たこのぼり禁止令」も発令されました。しかし、当時人気の娯楽だったことから、幕府は対策を考え「武士が家に居て参勤交代の行列も無いお正月になら」と許可を出したことから、凧揚げがお正月にされるようになったとされています。

 

冬の冷たい風にのって空高く揚がる凧。

 

2017年が上昇の年になりますように。

 

 

 

 


 

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